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「彼女。名前は[シンシア レヴィン]。」
「レヴィン? レヴィン家の孫か? 」
「そうよ。[あの]レヴィン家のね。私の学友よ。」
「その学友がどうした? 」
 リュークの仕事への情熱が無いのは初めから解っていることなので、愛梨はそれを注意せずに重要なことだけを話した。
「彼女の依頼でもあるの。そのために貴方のような[有能]な人が駆り出てくれたのには感謝しているわ。でも、これは正規の任務でもあるからね。私たちは彼女の友達。貴方はメール友達となっているわ。だから、顔を知られてなくても結構なのよ。仕事の依頼内容は、彼女を取り巻く不思議を調査すること。貴方も知っての通り、レヴィン家の財産は膨大だわ。でも、それを相続した人たちはそれを見ることなく死んでいる。彼女の身に危険があるわけではなく、本当にそのレヴィン家の財宝があるかどうかを探ることが任務内容よ。シンシアを取り巻く人間関係は、紙に書いているから、読んだら破り焼き捨ててね。残っていると知っての通り、捜査の邪魔よ。バックアップは本部の有能な【機械(頭)】の中にあるわ。」
 リュークは紙に目を通した。
 シンシアの父親は死亡。
 シンシアの母親、クリシア。イタリア系の女性で気性が激しいが、根っからの朗らかさで気立てはいい。
 シンシアの叔父―レヴィン家の次男―カーウィン。外国製の家具を流通している会社の社長。人当たりがよく、営業的な喋り方をする。
 その息子、シンシアの従兄、ケイン。シンシアとは血族の無い従兄で、二つ違い。スポーツマンでクリケットをしている。
 弁護士のルック・マークス氏。雄弁な青年で、頭がいい。
 シンシアが遺産相続したのは、祖父の死去に伴っての事だった。本来ならば、息子である叔父が相続するのだが、祖父は遺書にシンシアに遺産を譲与すると残した。
「よく調べ上げたな。」
「シンシアに聞いたのをまとめただけよ。後付け足すとするなら、」

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